美容外科の発展につれて、これを利用する一般ユーザーの裾野も大いに広がり、我が国における美容外科は、今や確固とした普遍性を持つに至りました。特に今世紀に入ってからのそれは実に顕著で、この傾向を大きく左右したと思われるのがプチ整形の大ブームと言えるでしょう。またこのことは、良い意味で我が国の美容外科のあり方を、より健全な方向にリードしてくれたとも言えるのではないでしょうか。
プチ整形というのは我が国独自の呼び方だと思いますが、これはその語感から抱くイメージとは裏腹に、実に多様で深い、かつ高度な医療技術の上に立脚した一連の技術群ではないかと思われます。まさに我が国の、他国にぬきんでて優れた美容外科の技術力なくしては、この隆盛はあり得なかったと言っても過言ではないはずです。つまり、プチ整形というのはそれほどすごい技術なのです。
ＳＦ小説のファンであれば有名なＳＦ作家の述べた「優れて突出した科学技術は一見かえって魔法のように見える」という言葉を聞いたことがあるでしょう。プチ整形をはじめとした我が国の美容外科の技術がまさにそれで、その素晴らしさは魔法、あるいは奇跡としか言いようがありません。しかしこれは、美容外科のドクターたちが長い研鑚と実績の上に築き上げた貴重な成果であることはもちろんです。「神業」とは、あくまで人の為す技にほかなりません。
こうした技術力に支えられて、我が国の美容外科は急速に発展してきました。特にプチ整形のブームは一般ユーザーの年齢層を押し広げ、明治的男権社会の価値観を払拭してくれたように思えます。その前段階として、ピアスの流行やタトゥーのファッション化があったとも考えられますが、美容外科のもたらした新しい価値観は、さらに優れて健康的なものであったと言えるでしょう。
美容外科でプチ整形を受けるという行為は、エステやネイルサロンに通うのと同等の意味を持ち、美容室やトレーニングジムに通うのと極めて近い普遍性をすでに獲得しています。ユーザーの裾野が広がったという事実はさらに美容外科の性格を我が国独自のものに深化させ、メークの延長としてのプチ整形からさらに、健康管理の一環としてのアンチエイジング治療へとその姿を変えていきつつあります。
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